キャリアモデル開発で得られるものとは?

こんにちは、キャリアモデル開発センター仙台の柴田北斗です。

キャリアモデル開発をすると何が得られるのか、検討する際に気になるポイントだと思います。
個人差は大きいので一概に言えるものではありませんが、これまで一緒にキャリアモデル開発をされた方の声も参考に、言葉にしてみます。
キャリアモデル開発にご興味ある方の参考になれば嬉しいです。

キャリアモデル開発のプロセスは大ざっぱにいうと以下のようになります。

①自分のこれまでのキャリアの棚卸しする(シートの記入)
②キャリアについて対話し、深掘りする
③キャリアモデルをつくる・ブラッシュアップする
④キャリアモデルに沿ってアクションする

①と④はご自身メイン、②と③は私と一緒に進めるようなイメージになります。
こうしたプロセスを経て、キャリアモデルができあがっていきます。

このプロセスを繰り返すことで何が得られるのか。大きく以下の4点にまとめました。
(1)自分オリジナルのキャリアモデル、キャリア資産を可視化したシート
(2)「自分らしさ(being)」の発見・言語化
(3)活動の精査と優先順位づけ
(4)自分自身を俯瞰して見ることができる力(メタ認知能力・自己認知能力)

(1)自分だけのキャリアモデル、キャリア資産を可視化したシート

まずは当たり前ですが、キャリアモデルが出来上がります。

キャリアモデルというのは自分のキャリアを3つの主要な要素で表現したもので、シンプルなものであるにも関わらず1人として同じものにはなりません。たとえ主要な要素や活動が同じだったとしても、そこにかける想いや自分が受け取っているものは人によって全く異なります。

参考:キャリアモデル例

世の中にある「(一般的な)仕事」という枠組みでは一人ひとりの多様なキャリアを表現することはできません。だからこそ、キャリアモデルを作る意味があると言えます。
キャリアモデルだけではなく、自分がこれまでのキャリアで培ってきた資産(リソース)を可視化するシートも同時に作成していきますので、自身のキャリア資産を可視化することもできます。

介護がキャリアパーツになっているとは思いもせず!3つすべて関わり方が基本的に一緒で、自分という立ち位置が良くわかりました。

これまでの自分を振り返り、図解化・文章化したことで今まで何となくもやもやとしていた自分のキャリアや生き方の理解が深まりました。将来に対する不安を感じたとき、くよくよと悩む時間が減った気がします。

(2)「自分らしさ(being)」の発見・言語化

私たちは「being」と呼んでいますが、その人の「らしさ」や「あり方」「源泉」の言語化が進みます。

自分のこれまでのキャリアを振り返っていると、何度も出てくる価値観・行動・想いなどがあります。そこには自分が(無意識的に)発揮している「自分らしさ」があることが多いです。なかなか自分だけでは気づきにくいことも多いのですが、対話することで見えてきます。

最終的に面談期間中にはbeingの言語化まではいかないケースもありますが、それでも原型となるものや可能性を秘めたものを持ち帰っていただいています。(その後「見つかりました!」という嬉しいご報告をいただくこともあります)

beingを発見することで、自分が大切にしていることや、心の奥底から望んでいること、無意識に求めていることが可視化され、日々の活動や新たなことへの挑戦の活力となっている様子が伺えます。

being が見えたことで、これから行動してみようと思っていることに対して自信を持って取り組むことができそう。

beingを言語化できたことによって、今まで自分が漠然とやってきたことにハッキリとした理由があることに気付きました。

自分自身のbeingは、自分1人で見つけられるものではなかった。また1人のままではコンプレックスとして認識したままだった。コンプレックスが昇華して自分のbeingになれたのは大きい転機となった。

(3)活動の精査と優先順位づけ

「キャリアモデルはなぜ3つなのか(それ以上ではだめなのか)」という質問をいただきます。もちろん物理的に増やすことはできるのですが、私個人として3つをおすすめする理由は「認知する上で最適な数」であるという点です。

実際”マジックナンバー3”(世界3大〇〇、表彰台が3位までなど)と言われたりもします。なぜ人は1日3食食べるのか、なぜ仏の顔は3度までなのか、なぜ2度あることは3度あるのかはわかりませんが(しつこい)、実際に3というのは人間にとって覚えやすく心地よい数値のようです。

根拠弱くない?と言われてしまいそうですが、認知に最適というのは結構重要だと思っています。

キャリアモデルは一つ一つの活動と自分の関係だけでなく、活動同士の関係性(三角形の外側の線)も描いていきます。活動が4つ5つとなると線が複雑化し、自分でそのすべてを認識することが困難になっていきます。その状態になると、自分が何に注力しているのか、何のためにその活動をしているのかの意味が見えなくなってくるはずです。結果的にバーンアウトしてしまったり、適切に対処できた場合は自然と優先順位が低いものは外れていくことになります。

そういう意味で「3つをピックアップする」こと自体が、自身が力を注ぎたいことを精査するというプロセスであり、優先順位を決めるということになりますし、その後も、力を注ぐこと、時間をつかうことが定まっているため力を発揮しやすくなりますし、成果にもつながりやすくなります

もちろん活動を入れ替えることも可能なので、優先順位が変わればキャリアモデルの形も変わる、という風に柔軟に対応することができます。その都度3つを精査すること自体に意味があるのだと思います。

クリアなビジョンと根拠のある自信が得られた

今までのキャリアに対して、より前向きに感じられたこと。今後の人生において、自分のやりたいことが整理されたこと。

(4)自分自身を俯瞰して見ることができる力(メタ認知能力・自己認知能力)

キャリアモデル開発をすることで得られる最も大きな要素として「自分自身を俯瞰して見ることができる力(メタ認知能力・自己認知能力)」があると思います。

キャリアモデル開発では「自分」について対話を深めていくため、その過程で自分の心身の状態、どこに向かっているか、向かいたいのか、何はできて何はできないのか、そういったことを自ら認知することができるようになっていきます。

自分自身を卑屈でも過剰でもなく、あるがままに受け入れることができるようになった。

始めた当初の自分の想いと終わったときでは違っていたことに気づき、でも日々自分も変化しているからこそなのだと感じた。

自分が何を大切に思い、どのような状態を幸せだと感じるのか整理することができた。

キャリアモデルや、その時々の活動は「その時」のもの、ある種「静的」なものですが、人生というのは都度変化していく「動的」なものです。そうした「動的」な人生において、その時の自分を俯瞰して見ることができる能力というのは、あらゆる意思決定や人生選択をしていく際に必須の能力と考えています。

実際に自己認識能力が高いことでどのようなことがもたらされるかについての研究もされています。

自分について明確に認識している人は、より自信があり、より創造的である。より適切な判断を下し、より強い人間関係を築き、コミュニケーション能力も高い。嘘をついたり、騙したり、盗んだりする可能性が低い。仕事のパフォーマンスが優れ、昇進しやすい。そして、より有能なリーダーであり、その部下の満足度は高く、会社の収益向上にも貢献している。

Eurich (2018)「リーダーに不可欠な「自己認識力」を高める3つの視点」,Harvard Business Review

私が愛聴しているコテンラジオの深井氏も歴史を知ることにより「メタ認知」が可能となることの重要性を述べられていますが、メタ認知能力、自己認知能力というのはこれからの社会で必須の能力となっていくと思います。

この能力を自分のキャリアを考える中で高めることができ、かつその後の人生でも活用していくことができるため、その点有意義なのではないかと思っています。

いかがだったでしょうか。だいぶ長くなりましたが、

(1)自分オリジナルのキャリアモデル、キャリア資産を可視化したシート
(2)「自分らしさ(being)」の発見・言語化
(3)活動の精査と優先順位づけ
(4)自分自身を俯瞰して見ることができる力(メタ認知能力・自己認知能力)

という点がキャリアモデル開発を通して得られる主要なものかと思います。
次回はキャリアモデル開発をされた方から、検討されている方へのメッセージもまとめたいと思います。

ご興味がありましたら、ぜひお問合せフォームからご連絡ください。
初回無料相談も承っております。ご連絡お待ちしておりますね。

この記事を書いた人

柴田北斗

宮城県出身・在住。東京の人材系企業勤務を経て2018年東北へUターンし個人事業開始。 2019年4月から仙台市のINTILAQ東北イノベーションセンターを拠点に「キャリアモデル開発センター仙台」を立ち上げ、1人ひとりが豊かで幸せな人生を送るお手伝いをするため、個人のキャリアモデル開発とベースキャンプとなるコミュニティ運営を行っている。
2級キャリアコンサルティング技能士(国家資格)/キャリアコンサルタント(国家資格)/筑波大学大学院在学中

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